銀の安全性について

銀というと何を連想しますか。アクセサリーを想像する方が多いと思います。古くは、食器として使用され、銀の壺に水を保管しておくと、水の腐敗を防げることを知っていました。江戸時代、お殿様の毒味役は銀の箸を使っていました。当時の毒は『毒砂』と呼ばれていた硫ヒ鉄鉱で、成分の硫黄が銀と反応すると黒ずんで硫化銀となります。 このことで毒物の有無を確認していました。近代では、歯科医が入れ歯に純銀を使用したり、ヨーロッパなどでは、飲料水の殺菌に銀イオンを利用している地域もあります。日本でも蛇口に取り付ける浄水器にも銀が使用されています。また、銀は、食品添加物にも認可されており、製菓材料のアザランやデコレーションに利用する銀箔銀スプレーも食用銀で作られています。

銀は本当に安全なの?

「銀」で殺菌と聞いて、「本当に体に害はないの?」と思われる人もいるかもしれません。菌を死滅させるくらい強力な効果があるなら、人体に何かしらの影響があるのでは、と思います。細菌は単細胞の生物で、ひとつの細胞組織だけで生命活動をしている生物です。細胞の中に銀イオンが浸入することで死んでしまいます。 一方、人や動植物は複合細胞の生物であり、何億個もの細胞が集まりひとつの生物体となっています。ひとつの細胞の損傷が全体の死には直結しないのです。もし、人や動植物が体内に過剰の銀イオンを取り込んだとしても、余分な銀イオンは、新陳代謝機能や免疫機能により、速やかに体外へ排出されるという生理機能を持っています。 銀イオン水溶液は、銀を水中で電気分解させた水溶液なので、他の薬剤などが含まれていません。銀は、世界保健機構(WHO)の定義でも人体への影響はないとされています。日本の水道法による飲料水の水質基準においても、含有量に関して数値基準が定められておりません。 そもそも私たちは日常生活をする上で、水を飲んだり食事をしたりすることによってごく微量の銀イオンをミネラルとして自然摂取しています。このような事例などからも、銀が高い安全性を持っていることをおわかり頂けるものと思います。しかしながら、「水銀」と「銀」を同じ物質だと思って、不安視される人もいるようです。 日本の高度成長時代に、公害病として知られた水俣病やイタイイタイ病などの主原因は、河川に垂れ流された工場排水に含まれる有機水銀を、近隣住民が魚などを食べることによって体内に摂取したことだと言われています。このように水銀(特に有機水銀)は非常に毒性の強い物質であり、体内に直接取り入れることはもちろん、気化したものを吸うことも危険であることが知られています。 水銀の元素記号はHgで銀はAgです。銀は金や銅などと同族元素であり、水銀は亜鉛などと同族元素です。この二つの物質は全く別の金属で、関連はありません。

金属アレルギーについて

金属アレルギーは一度起こると一生続くことが多いので、なかなかやっかいです。厚生労働省の調査によると、皮膚トラブルで一番多いのは、やはりアクセサリーによるアレルギー性接触性皮膚炎で、その原因の約 80%は金属だといわれています。ピアスの場合、特に耳たぶを通してつけますから、金属が直接皮下組織と接触し、組織液によって微量ながら溶けだします。 そのとき金属イオンが体内に取り入れられて、アレルギーを起こすといわれています。例えばアクセサリーに用いられる金属の中で最もアレルギーの原因(アレルゲン)に なりやすいのはニッケルです。ニッケルは、他の金属に比べて溶けだしやすく、汗をかけば、汗に含まれる塩素イオンの作用で、より溶けだしやすくなる性質を持っています。 露天や激安ショップの中には、ニッケルの含まれる粗悪なシルバー(ニッケル・シルバ ー)を売っているところもあるので気をつけましょう。安全だと思われている金でもアレルギーになることがあります。金は溶け出しにくい代わりに一旦体内に入ると非常にかぶれやすい金属なのです。また一般的な18金には12.5%もの銅が含まれています。 銀はどうでしょうか?1987年東京都済生会中央病院皮膚科の金属パッチテスト調べでは、銀でアレルギーになった方はいなかったようです。銀は極めてアレルギーになりにくい金属なのです。

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